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鉄砲と戦国時代


鉄砲をはじめとする火薬の力を用いて敵の殺傷をもくろむ兵器の登場は、6世紀から7世紀の間であると言われています。当時の絵でも火器を使用している者の絵が存在するらしく、少なくともその絵の頃にはあったという方もおられます。しかし、この火薬を用いた兵器は中国においては秘密とされており、外に出ないように厳重に扱われたと言います。

鉄砲と戦国時代


結局、文献上で日本にはじめて火器が登場するのは元寇になってからです。前にも書いたとおり、応仁の乱にはすでに火器が使われており、日本には火薬兵器の文化が存在していました。が、火薬の材料である硝石の入手が日本で手に入らなかったために難しかったらしく、火器の使用率は低いものでした。

戦国時代に火器の使用率が増えたのは、硝石の作り方を日本人が覚えたからかもしれません。便所の土を使用すると硝石をつくることができるそうです。化学反応については、詳しくは知りませんが、便所の土を利用することで硝石を国産で切るようになりました。日本にもたらされた鉄砲は瞬く間に日本全国に普及し、戦場に大きな影響を与えることになります。

鉄砲の威力は弓のそれを大きく上回り、鉄砲の使い方が勝負を分けるようになっていきます。性能面以外でも鉄砲は弓に優越する部分をもっていました。それは、槍と同様に訓練が容易であるという点です。これは大量動員してきた素人連中が短い訓練期間で戦場で活躍できるということを意味します。

弓に比べて威力も高く訓練期間も短いとなれば、至れり尽くせりといったところ。槍と共に大量動員を支える兵器であったと言えるでしょう。とは言え、当時の鉄砲は多くの弱点を持っていました。常に火縄で火を用意しなければ射撃できない。雨が降っていると使用が難しく、風が強すぎるとやはり使用が困難になります。発射速度も遅く、威力も射程も後の鉄砲に及びませんでした。

しかし、鉄砲が持っていた強力な要素が存在します。それは射撃時の爆音です。敵の士気を砕けば戦いの勝利者となれる戦場では、敵の精神を揺さぶる鉄砲は大きな力を持ちます。

弱点も多く、威力が半端な鉄砲が戦場を制するのに、この爆音が関わっていないわけがありません。この鉄砲の力が大航海時代以降の西欧諸国の大躍進を支えたと言えるでしょう。結局、ヨーロッパは火薬の力で新大陸といった軍事弱小国を蹂躙し、南アジア、東南アジア諸国を圧迫していきました。

ただ、日本を始めとする軍事的強国であった地域は上手く火薬兵器を取り込み、ヨーロッパの進出に抗うことに成功します。最終的には、日本、トルコ、タイ以外の国はヨーロッパの支配下に落ちることになりますが、それは外燃機関の登場を待たねばなりません。世界史にこれほどの影響を与えた鉄砲。そして、その鉄砲が大活躍した戦国時代。

ファンタジーがお好きな方は鉄砲の存在を毛嫌いする方も多いかもしれませんが、どうぞ鉄砲に対して偏見を抱かずに楽しんでいただきたいと思います。


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