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当世具足


当世とは今の時代のという意味であり、戦国時代においては最新式という意味で用いられました。具足とは鎧のことをさす言葉で、当世具足という名前は当時最新式の鎧という意味を持ちます。どのような鎧かというと、実際のところ『戦国武将たちが身に纏った鎧の総称』という言い方しかできません。

当世具足


冗談ではなく、種類が多すぎるためです。例えばヨーロッパの騎士が身に纏うプレートアーマーなどは多少デザインが違ったり、ドイツ式、イタリア式、イギリス式などとメーカーが違ったりしても同じプレートアーマーとして分類できるでしょう。しかし、当世具足はそうは行きません。

兜の形状、鎧の設計や材質、篭手の形状や草摺りの構成などあまりにも千変万化過ぎて区分けが不可能なのです。どのくらい種類が多いのかと言うと、当世具足以外の鎧の種類全部と比較してもまだ多いと思います。このように、具体的に一つの代表タイプをあげることのできない当世具足ですが、順を追って説明して行きたいと思います。

当世具足はまず、胴丸を元にして設計され、矢だけでなく鉄砲の攻撃に対応できるように配慮されて作られました。兜をはじめとする全ての装備を網羅しており、堅牢でありながら徒歩戦にも対応した優れものでした。板札という新技術を取り入れた当世具足も多く、それさえも設計の仕方でさまざまな種類が存在します。

隙間のないように鋲で固定したものや、革紐で固定するもの、板札を縦にするものもあれば、上から練革で作った魚鱗のようなものを貼り付けるようなものまで存在します。本子札、伊予札、板札だけでなく、一枚の鉄板で装甲した南蛮胴を元に作られた当世具足も存在しています。

戦場で目立つことに命を賭ける戦国大名の粋な心を留めることはできず、世界に存在するほぼ全ての鎧の製法、鎧の材料でもって彼らはオンリーワンの精神を惜しげもなく発揮して唯一無二の当世具足を作り出していきます。現存する鎧も多く、博物館に行けば今でも多くみることができるので、機会があったら一度実物を見てみたいものです。

写真で鎧を紹介する鎧の本も多く出版されているため、時間のない方はそれに目を通してみるといいでしょう。


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