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竹束


戦国時代に現れた新兵器、鉄砲に対して開発された防御装置がこの竹束です。通常は置盾で何とかなっていた戦場も、それ以上の貫通力を持つ鉄砲のために新兵器の出現を促すことになります。竹束とは竹を束ねて縛ったもので、細長い円柱を思い描いていただければイメージは近いです。

竹束


持ち運ばずに設置する場合はこれを横に並べて防壁とすることが可能です。

一部で偽書扱いされている『甲陽軍艦』によると、火縄銃の弾丸に対して一町の半分までの距離なら貫通せず(一町は109メートル、半分なら50メートル程度)接近して直撃すれば貫通するそうです。遠距離の射撃戦でなら、十分な活躍ができたものと考えられます。

もちろん矢に対しても効果はあったようで、弓の攻撃に対してもその防御力は知られていたそうです。現代の銃でも、竹やぶや森に銃を撃たないように言われているのは、葉っぱや枝、そして竹などのせいで軌道がそれる恐れがあるからのようで、それを考えるとなかなか有効な防御方法であったことがわかります。

さて、余談ですが私が昔読んだ長篠の戦を研究した本で面白いことを考え、実施した方がおられました。あいまいな記憶で申し訳ないのですが、その作者は実際に竹束を前にして火縄銃の射撃を行いましたが、至近距離で撃った弾丸が簡単に竹束を貫通したことに驚きます。

「竹束が簡単に貫通してしまうはずがない。何かおかしいぞ?」

そう思い、その作者は考え抜いた結果、竹の内部に土を入れて防御力を高めることに思い至ります。そして至近距離で火縄銃を撃ってみると、竹束は見事に弾丸を受け止めて貫通しませんでした。

「硬いものとやわらかいもの、材質の違うものを交互に置けば衝撃を殺しやすくなり防御力もあがると思ったが、その通りになった」

だ、そうです。あいまいな記憶なので正確ではありませんが、たしかそのような文章が書かれていた気がします。このように砂を入れれば至近距離でも弾丸は停止するようです。 実際、現代でも使用される防御兵器である土嚢は布の中に土を入れたものですが、弾丸を停止させることができます。

戦国時代の方々がこのようなマネをしていたという記録は見たことはありませんが、竹束の底力を見せ付けられた心地です。ちなみに実戦では複数の竹束を木の枠で固定した大型の盾や、それを車輪の上に載せた『車仕掛』と呼ばれる装甲戦車のようにした兵器として用いられることもあったそうです。


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