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戦闘陣形


人間は、基本的に正面に対して最大の攻撃力を発揮することができます。側面から攻撃されると防御が難しく、背後から攻撃されると一方的に負けてしまいます。

戦闘陣形

一対一の戦いなら、後ろをとられても振り返れば問題ありません。しかし、集団で戦う場合は敵を向いている時に、他の敵から側面を突かれてしまいます。

これを防ぐために兵士たちは陣形を組みます。正面を向いた多数の兵が横に並ぶと、敵はこちらの兵の側面をつけなくなります。味方の側面を味方が守るからです。

陣形は大きく分けて横陣と縦陣があります。横陣は兵士を横に広げて並べる陣形です。最大の攻撃力を発揮できる正面を向いた兵士を最大限に戦わせることができるのです。

横陣の弱点は機動力です。陣形は全員で動く必要があります。同時に複数の人間が動く場合、人数が多ければ多いほど難しくなります。そのため、横陣は防御的な性格を持っています。

縦陣は横陣と逆の特徴を持っています。兵を縦に並べるため、多くの兵士が味方の背中を向いてしまい、一度に戦える兵士の数が少なくなってしまいます。

代わりに正面人数が少ないため、すばやく動けます。そのため、一点に兵力を集中させることができ、局所的な優位を得ることができるのです。

最後に、陣形ではありませんが散兵という戦闘形態があります。兵士を散開させることで、自由な戦い方をさせることができます。

陣形を組んで動けない敵を自由に攻撃し、敵が近づいたら逃げる。一方的に戦うことができます。しかし、この戦闘形態には弱点がもちろんあります。

まず、数が少ないので突破力に欠けることです。そして、基本的に歩兵の仕事であるために騎兵に突っ込まれると崩壊します。

さらに、指揮官なしで動くために兵士の勇気と忠誠心が必要とされます。武功も確認しにくいので、全体のための奉仕心が必要です。傭兵なら、ほぼやってくれないでしょう。

散兵はナポレオン戦争で国民軍ができるまで登場されていないとされています。古代マケドニア軍にいたとかいう話も聞いていますが、それなりにやってる連中はいたのではないでしょうか。

ただ、大規模に扱われたのはナポレオン戦争以降のはずです。実際、銃が強くなりすぎて陣形を組めなくなると、全ての兵士は散兵へと代わりました。隠れて攻撃が基本です。


戦国時代では主に横陣と縦陣が用いられました。有名な八陣も言ってしまえば横陣と縦陣の組み合わせです。戦いは組織的なものであり、陣形の有無が勝負を決めました。

そのため、戦いは基本的に陣形の崩しあいとなります。古代は歩兵が、中世は騎兵が、近世は長柄槍と鉄砲が陣形を崩す力となり、その時代の主力兵科となりました。

戦国時代は中世と近世の間なので、騎兵、長柄槍、鉄砲の三つが最大の力を発揮しました。初期の鉄砲は数が少ないため、陣形を動揺させるためにのみ使用されたとの説もあるほどです。

このように、戦国時代の戦いと陣形は切っても切れない関係にあったのです。


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