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包囲 |
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人間は正面に対して最大の力を発揮します。一対一なら常に相手の方を向くように戦えますが、集団戦だと複数の敵から同時攻撃を受けるため苦手な側面や背面を突かれます。これを防ぐには陣形を組むのが手っ取り早い解決策です。 つまり、陣形は人の塊であると同時に、人の群れという形をした、巨大な人であるとも言えます。つまり、正面に対して高い攻撃力を持つことと引き換えに、側面や背面の戦闘力は低いということです。 陣形は多くの人間の集まりなので、個人と違って方向転換を容易に行えません。そのため、斜め方向や側面、背面から攻撃すると陣形は低い対応力から、数にふさわしい力が出せなくなります。 このような事情から、敵の陣形は正面以外から突くのがセオリーとなります。しかし、相手もそう簡単にはやらせてくれません。距離があれば方向転換する時間もあるので、容易に側面は突けません。 では、側面を突くにはどうすればいいか。一番簡単な方法は多方面から攻撃することです。陣形は正面と側面を同時に向けません。そこで、同時多方面攻撃によって弱点を突くのです。この攻撃方法を包囲と言います。 包囲には片翼包囲、両翼包囲、全面包囲の三つがあります。一つずつ見ていきましょう。 片翼包囲は正面と片方の側面から攻撃することです。二方向からの包囲なので比較的成功しやすいです。しかし、敵に与える衝撃もそれなりのものになります。 両翼包囲は正面と左右の側面から包囲します。三方向からの包囲なので、敵に対して大打撃を与えることができます。ほぼ確実に決定的な戦闘になるでしょう。 全面包囲は、敵の四周を囲い込む包囲です。敵を逃がさない包囲形態であるため、殲滅戦となります。敵の兵力を残さず消滅させることができるでしょう。 包囲のすばらしいところは、一度に戦える兵力差を増やせるところです。包囲された側は内側に戦闘に参加しない兵士を抱えますが、包囲側は一度に多くの兵を戦わせることができます。 さらに、包囲された側の兵士は精神的に動揺するため、戦闘方向、戦力比、精神などの面において優位を得られます。 兵士の数が相手より多いほど包囲は成功しやすいので、強者の戦術と言えるでしょう。 次に進む 前に戻る |