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腹当


腹当は非常に簡易な鎧であり、主に雑兵が身に纏ったものです。前方と両脇のみが装甲され、背中は丸出しで草摺りも短く、数も少ないです。これは雑兵の鎧に金をかけられないという事情もありますが、装備が重いと動き回れないという配慮もありました。

腹当


動きが早く足が軽いから足軽なのです、そこを忘れてはいけません。腹当が登場したのは鎌倉時代だったらしく、これが発展して腹巻になったようです。

軽装とは言え、多少は頑丈に作られていた腹当でしたが、太平記の時代になると話が変わってきます。鎧を作るときに使う小さな長方形の鉄板である子札を減らして軽量、簡素に作るという技法が生み出されたためです。

本来なら子札を重ねて二重の防壁とする『本子札』という作成法が、両端のわずかな部分だけを重ねる『伊予札』という作成法に移り変わります。これにより装着者の機動力は向上し、製作も楽になり、さらに材料費も安くなります。これがもたらしたのは歩兵の大動員であり、南北朝時代は今までの時代より多くの歩兵が活躍する時代となります。

伊予札の使用は雑兵にとどまらず、高位の人間さえも伊予札で胴丸や腹巻を作ることもありました。足軽の装備として活躍した腹当ですが、戦国時代にはより生産性と防御力に優れた『御貸具足』にその地位を取って代わられます。とはいえ、完全に駆逐されたわけではないようなので、一部では使っている兵士もいたことでしょう。


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