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繰引き・かかり引き


撤退時には大きな被害が出るために、撤退時の味方を守る殿の部隊は、その軍の中でも優れた部隊を置くのが普通でした。有名な戦いでは大抵撤退が失敗し、長篠の戦いなどでは特に大きな被害を出しています。不利な撤退戦ですが、一応撤退時の被害を少なくする戦術が存在しており、それが『繰引き』と『かかり引き』です。

繰引き・かかり引き

『繰引き』は撤退を支援する殿軍を二つに分け、片方が後退する間にもう片方が敵に攻撃を加えて追撃を阻止、そして次はその部隊が後退し、後退していた部隊がもう片方を援護するというように敵の一方的攻撃を防ぎつつ撤退するというものです。

『かかり引き』は直江兼続が上杉謙信から伝えられたという伝説を持つ戦術で、『繰り引き』を積極的にしたもので、追撃してくる敵を徹底的に攻撃し、敵が後退した隙を突いて逃げるというものです。後に編纂された越後流兵法によれば部隊を四つにわけ、三つが攻撃している最中に一つの部隊を伏せ、敵に奇襲を食らわせて後退を強いるというものでした。

実際に関ヶ原に際して全国に飛び火した戦いの一つに参加していた直江兼続は撤退に際し、鉄砲隊を山道が見下ろせる高所において追撃する敵を射撃、そこに反転攻勢をかけて敵に後退を強いたと言います。

戦国時代における撤退戦の英雄としては他に豊臣秀吉が上げられるでしょう。 信長に殿を任された秀吉は追撃してくる敵に対し、果敢に戦闘し追撃を断念させています。おそらくこの金ヶ崎の戦いでは繰り引きが行われたであろうことは想像に難くないと思います。



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