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火縄銃と騎馬武者


世界史を大きく塗り替えた兵器である火縄銃は、騎馬武者とは切っても切れない関係がありました。正確には騎兵が、ですが。


火縄銃と騎馬武者

火縄銃は弓の二十倍、クロスボウの十倍の威力を発揮することができます。人間の筋力でさえ突破できる鉄の鎧を、より簡単に突破できたわけです。そして、騎馬武者の長所の一つは圧倒的防御力。それが簡単に貫通出来るようになった事実は大きいです。


火縄銃と騎馬武者

数週間訓練するだけで使えるようになる鉄砲で、十年以上訓練しないと役に立たない騎馬武者があっさりと倒されてしまう事実は、世知辛いものでありました。騎馬武者にとって、火縄銃は天敵であったと言えるでしょう。

しかし、騎馬武者にとって火縄銃は必ずしも敵であっただけではありません。騎馬武者の中には、火縄銃を積極的に扱う者も少数ではあるが存在していたのです。

騎馬武者と火縄銃がセットになる良くある風景として、お偉いさんの装備があげられます。お偉いさんの騎馬武者は馬に乗って戦います。しかし、馬の上では火縄銃は使いにくいです。そこで使いやすいように短い銃を使います。これを馬上筒と言います。

馬上筒は通常の火縄銃に比べ、射程と威力で劣ります。しかし、騎馬武者の機動力で突っ込んでくる敵が銃を発射するというのは、やられる側にとって非常にやっかいなものです。神出鬼没の騎馬武者の銃撃は、弱点を突くことが容易だからです。

とは言え、これは戦場において大きな脅威にはなりませんでした。馬上筒はあくまで個人装備であり、大局を左右する威力を発揮しませんでした。組織的な運用がされたわけではなかったのです。

資料に残る限り、騎馬武者と火縄銃を最も効率的に組み合わせたのが加藤家と伊達家です。この二家は騎馬鉄砲隊なる部隊を作りました。騎馬武者に普通の火縄銃を持たせ、射撃時に停止してこれを発射しました。

騎馬の速度で、歩兵並みの射程と威力を持つ銃弾がどこからともなく飛んでくるのです。怖くないわけがありません。運用は困難を極めたでしょうが、その威力はすさまじいものだったでしょう。西洋で言うところの竜騎兵というやつですね。

このように、火縄銃は騎馬武者にとって天敵であると同時に素晴らしい味方でもあったのでした。

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